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2007年、代表取締役年頭挨拶
笹邊肖像2006年12月31日撮影
(2006年12月31日尼崎にて撮影)
 
株式会社千里ビデオサービス 代表取締役 笹邊幸人

 新年あけましておめでとうございます。皆様方には平素より格別のご高配を賜り深く感謝申し上げます。2007年の年頭にあたり、本年の抱負とこれからの業務展開について申し述べさせていただきます。
 昨年を振り返ると様々なことがありました。ビジネスに関連したニュースを挙げると、
  ・ライブドア事件で堀江貴文前社長が逮捕される
  ・ミクシィが東証マザーズに上場
  ・SNSが浸透
  ・インターネットトレードが定着
  ・ソフトバンクがボーダフォンを買収し携帯電話事業に参入
  ・Winnyなどを介した情報漏洩が相次ぐ
  ・携帯電話番号ポータビリティ(MNP)制度が導入される
  ・ブログが定着
  ・「村上ファンド」の村上世彰氏が逮捕される
  ・GoogleがYouTubeを買収
などがありました。そういったニュースの中、何の成果も上がらなかった6カ国協議は我々が暮らす極東アジアの治安に関わる重大問題です。経済や外交において大転換期と思われた21世紀はスタートから様々な問題を抱えながら進んでいます。

 私は2007年の初めに「人が人の心を信じることが出来る社会」について考えてみました。社会というと大げさになりますので、家庭や会社といった方が適切です。家族や近隣の人々同士、社員同士が互いに相手の心を信じることは極めて難しいことだと思います。しかし、かって阪神淡路大震災が起こった時や、大水害が起こったときには一時的ではあっても人々は互いの心を信じることが出来たのではないでしょうか。ではどうして天変地異が起こった時にはそうなれて、平常時には難しいのでしょうか。私は「共通の目標や目的の有無」ではないかと考えます。目標を共有することが出来た時、人は互いに信じ合い、脅威の潜在能力を発揮できるのだと思います。昨年私は年頭挨拶で「2006年に笹邊が求めるものは高価な機材や編集室ではありません。作品に挑むキャメラマン、スタッフの『いきざま』です。」と書きました。今年は「いきざま」に加えて「共有」を掲げたいと思います。
 最近教育関係やリクルート関係で「夢の実現」という言葉が言われています。「夢の実現のために努力する」「夢があるから努力できる」耳障りのいい言葉です。100人いれば100の夢があり、1000人いれば1000の夢があります。しかし夢は人に語ったときから夢では無くなるのではないでしょうか。夢を夢で終わらせるのではなく、人生の目標とすれば、自ずと進むべき道が見えてくるものだと思います。
 経営者の使命は「スタッフが仕事をしやすい環境を整備する」ことだと確信します。設備だけではなく、人間関係や金銭関係においてもよりよい環境を作ることが重要ではないでしょうか。2000年に森元首相が所信表明演説で掲げた、全ての国民が情報通信技術を活用できる日本型IT社会を実現するための「Eジャパン構想」はかなり整備が進みました。それによって産業分野での国際競争力の強化や経済構造の改革、国民生活の利便化などは大きく進んだように思います。そして昨年は大手企業において「日本の景気拡大は戦後最長の『いざなぎ超え』を記録、企業の業績は上向き、経済界には明るいニュースが飛び交う。」といわれました。さて本当にそうなのでしょうか。昨年11月に発表された1世帯あたりの消費支出は11カ月連続の減少ということです。庶民の財布のひもはまだまだ固いというよりも、支出する余裕がないというのが実情ではないでしょうか。企業の業績アップの背景には低賃金に耐え忍ぶ人々が数限りなくいるということです。
 新春から話が膨らんでしまいましたが「スタッフが仕事をしやすい環境を整備する」ということに必要な「共有」についての考えに戻します。仕事を進める上で情報の共有は非常に重要です。また「よりよい作品」をめざす「目的の共有」も重要です。しかしそれよりも重要なものは「問題の共有」ではないでしょうか。人は仕事上の問題を人に語ることを嫌います。しかし「問題の共有」が出来てこそ「仕事をしやすい環境」ではないでしょうか。技術的な問題、人間的な問題など、問題には様々なものがあります。問題を共有することで問題に遭遇しなかった人も追体験が出来、問題を防げることになります。「問題の共有」が出来れば「人が互いに相手の心を信じること」に繋がるように思います。その結果として「目標の共有」が出来れば理想的ではないでしょうか。
 「仕事をしやすい環境」を目指すとき、C.E.O.の職務は執行責任です。スタッフが問題に直面した時に矢面に立ってこそC.E.O.だと考えます。2007年の初めに株式会社千里ビデオサービス代表取締役としてこのことを肝に銘じて業務を推進して行く所存です。そしてお客様とともに「よりよい作品」を目指し、「お客様と目的の共有」が出来る企業として、お客様によりよい技術を提供して行きたいと思います。皆様には今後も千里ビデオサービスをお引き立て賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
2007.1.1箕面にて

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