映像制作フィールドレポート・アーカイブ   LIST view  RSS
映像制作会社の代表が現場で印象に残ったことなどを写真やビデオキャプチャーで綴る撮影技術日誌
(WEBへの公開は制作会社、クライアント、出演者の許諾をいただいておりますが二次利用はご遠慮下さい)

■2009年08月24日(月)  NHK大阪ホールでカメラマン
昨日は神奈川の制作会社から依頼されたコンサートの中継カメラマン。現場はNHK大阪ホールです。

これは長玉に慣れた溝野が担当するフジノンHA42搭載のHPX-555。常時エクステンダーを入れて客席最後部から歌手のクローズアップが出来ます。

こちらは笹邊が担当する前カメ。標準ですがこちらも常時エクステンダーを入れてクローズアップまで可能です。機材は制作会社さんで用意されたものです。

パナソニックのHD-SDIスイッチャーHS400です。制作会社さんがオペレートされました。的確な指示でストレスなく2公演を終えることが出来ました。笹邊が振ったHPX-555はバッテリー駆動でしたが、エンデューラを2連で1公演終了後でも残量は70%でした。バッテリー消費の少ないカムコーダーですね。

■2009年08月22日(土)  NIKONが面白い

Jr.が今嵌っているのがD300のDXフォーマット。フルサイズのD700よりも撮像素子のサイズは小さいものの、画素数はD700と同じ。DXフォーマットではD700よりも緻密な写真になります。もちろんフルサイズで撮影したD700の場合は同じ画角で撮ったD300と比較すればレンズの拡大率による優位性がありますから、印刷原稿の撮影では基本的にD700を選択します。
しかしフルサイズの焦点距離がD300のDXフォーマットでは見掛け上1.5倍になり、55mmマクロは87.5mm、200mmマクロは300mmになります。さらにレンズの明るさ=F値はそのままです。一番面白いのは300mmF2.8EDにテレコンのTC-301の組み合わせ。300mm×2倍でF値は5.6ですが、これをD300で使うと見掛けは900mmF5.6です。

昔から野鳥の標準は800mmF8と言われましたが、ブラインドに入って野鳥に再接近できる距離でベストなサイズが撮れることと、F8の明るさが当時のフィルム(ISO 64)で1/125〜1/250のシャッターが切れることによるものだそうです。
上の写真は見掛け900mmF5.6で撮ったアブラゼミ。けっこう遠い樹に止っていたものだそうですが、いいサイズに撮れています。F5.6という開放F値はD300やD700のフォーカスエイドが効く値です。

こちらは高木に止って鳴くツクツクボウシ。鳴き声は良く聴くけれど、いったいどういう姿をしているのか、ご存じない方も多いと思います。普段目にしないものを900mmは確実に見せてくれます。ヒグラシが鳴くと秋ですね。

これは箕面川上流で見たオオサンショウウオ。川底で石のようになっている姿を河岸から撮ったために、流れによってぼやけて見えますが、まぎれもない天然記念物のオオサンショウウオです。900mmで撮る箕面の自然、見えないものが見えてくるレンズだと思います。それにしても箕面って自然が豊かなんですね。

135mm/F2.0、180mm/F2.8、200mm/F4マクロ、300mm/F2.8、そしてTC14B、TC301などのマニュアルフォーカスレンズが時代を経て今デジタルで復活しました。
25〜50mm/F4や35〜70mm/F3.5もズーム特有の糸巻き、樽型収差も現像時に補正できることで現役復帰です。そしてRAW現像のお陰でフィルム時代よりもいい結果が出ます。
ニコンF、F2、F3Pと使ってきたFマウントのニッコールレンズがデジタル時代においても第一線で使用できることって素晴らしいですね。ニコンFでスタートして今日までマウントを変えなかったニコン、ユーザーを裏切らないニコンに拍手です。

■2009年08月17日(月)  BOOMCAMの水中動画
先日BOOMCAMで撮影したタカハヤのハイビジョン動画をYouTubeにアップしました。

ヘッドが小さく、撮影者が川に入らずに撮影できることで魚へのストレスが少なく、自然な映像を撮ることが可能です。また、HDMIを特殊な改造をすることなく外部に出力出来ることから大型のハイビジョンモニターにもリアルタイムに映し出すことが可能です。自然教室や観察会といった教育用途への利用にもお薦めです。
次回は鮎の遡上を撮影します。特設ページはコチラです。

■2009年08月15日(土)  お盆は混みました
撮影で滋賀へ行ってきました。高速は結構混みましたが、回避した湖岸道路はスイスイ。写真は琵琶湖博物館付近の一般道。

仕事はさておいて、帰りの高速。おかげさまで下りの名神は意外とよく流れました。上の写真は多賀SAに設置されたジェットエンジンのようなミストマシーン。

こんなステッカーが貼られていました。水都大阪2009の公式ページはこちらです。http://www.suito-osaka2009.jp/

サービスエリアの売店ではこんなものが有りました。色々なキャラメルがあるんですね。

そしてラムネ&サイダー。みんな飲みたくなってしまいます。

クリオネラムネってどんな味がするんでしょうか・・・・・生きた海老が入った「えびやん」ではないですが、まさかクリオネは入っていないでしょう。

■2009年08月14日(金)  豆カムHDの広角ドームポート
お盆に入りましたが、システムファイブさんのご尽力のお陰で豆カムHD用のドームポートが間に合いました。話によるとドームポートのパーツがメーカーに到着したばかりだったそうですが、急遽お盆前の出荷に間に合うように1台組み立てていただけたそうです。

豆カムHDといえどもワイコンを装着可能なドームポートを付けるとさすがに大きく重くなります。乾燥剤のシリカゲルは後部に入らないため、ワイコンの周囲に配置してつや消しの黒テープで内部反射を抑えます。

今まで冷たい水に足を入れて行っていた撮影も豆カムとHDBOOMCAMのお陰で陸上から撮影することができます。もちろん状況によってはハウジングに入れたHVR-Z1Jなどを使用する必要はありますが、水を濁さず、魚にストレスを与えないことなど、豆カム+BOOMCAMのメリットは沢山あります。

豆カムHDの画像は三脚に取り付けたHDMIモニターで確認します。ダウンコンバートしていない映像のお陰で正確なフォーカス確認が行えました。照明はHIDではなく水冷式のLED水中ライト。オリジナルの拡散フィルターを内蔵させたことで周辺減光が大きく改善され、照射角度も広くなっています。演色性にも優れ、スチル撮影でも使用します。

■2009年08月10日(月)  まだまだベーカムは終わりません
世界中の現場に君臨したベーターカム、今もベーカム→DVCAMやDVPROへの変換が来ます。今回はベーカムからDVCAMへのCMコピー。


ベーターカムを再生するデッキはBVW-70ないしはPVW-2600を使用します。弊社のBVW-70は3000時間ヘッドに換装しているのでまだまだ大丈夫です。

受け側のDVCAMはSDR-2000です。アナログベーカムとはコンポーネント接続し、タイムコードもコピーします。DSR-2000/Aはコンポジット、SDI、IEEE1394、そしてS端子、コンポーネントを備えていますのでアナログベーカムも高画質にコピーすることができます。

コピーの後は大阪市内の機材屋さんへ向かいましたが、途中で雨の中に列をつくる大勢の人に遭遇しました。いったい何が?と思うと・・・・

ダイハツ・コルテオ大阪公演の行列でした。『コルテオ』とはイタリア語で「行列」を意味します。究極のオリジナリティと卓越したクオリティを誇るショーを創造しつづけるエンターテインメント集団シルク・ドゥ・ソレイユの公演です。カナダ・モントリオールで、ストリートパフォーマーたちによって結成された小さなサーカス集団――それが「シルク・ドゥ・ソレイユ」の始まりです。
この夏、是非とも行ってみたいですね。

公式サイトにチケット情報などもありますので是非!
http://www.fujitv.co.jp/events/corteo/
大阪の情報はこちらのサイトへ
http://www.ktv.co.jp/corteo/

■2009年08月08日(土)  報道でした
珍しく報道の現場でした。内容は選挙に関係するもので、ある大物政治家の密着。

撮影はHDCAM。現場へ行くまではVPということで、モニターも準備していましたが、使ったのはラストの1カットだけ。

高感度が必要になることも考慮して、カメラはレンズも含めてレンタルのHDW-790を用意しました。

デリカのダッシュボードと後ろに事務所から渡された「報道」を貼っての追尾。写真は掲載できませんが、やはり大物だけあって常に警備のSPが同行していました。

今回の取材で使用したワイド端6.3mmのフジノン16倍HDレンズ。なんとこの日に取材していた他のV局も全てこのレンズだったことに驚きです。今のところキャノンからは同種のものが無く、選択肢はこのフジノンだけになるようです。

待機中のデリカの外気温計は44℃を表示。もちろんボディーの表面温度が影響するために百葉箱とは異なりますが、とにかく暑い一日でした。

後日談:この時の候補者さんは無事当選されました。この方の地域での投票は出来ませんが、関わらせていただいたかたが当選されたことは何よりです。おめでとうございます。

■2009年07月28日(火)  マンハッタンLCDののバッテリー電源
豆カムHD用のHDモニターがソニーのリチウムイオンバッテリーで駆動できるようになりました。

V座のエンデューラを考えていましたが、重量を抑えるためにNF-F950/F970を使用します。取り付ける位置はバッテリーがモニターのスタンドを兼ねる場所を探って決定しました。卓上モニターとしてもいい感じです。

7.2Vのバッテリーは昇圧回路で12Vに変換し、モニターの電源端子へ供給します。フル充電のNP-F970で2時間程度駆動できます。タッピンネジ2本で組みつけられている変換機はF970をつけた状態で大きな振動を与えた場合、分解〜破損してしまいそうだったので、M5及びM4のネジで変換機の上下から締め付け固定しています。また、モニターにはM4ネジで取り付けます。
購入早々に新品のモニターに穴を開けて、スタッフの顰蹙を買ってしまいましたが、出来上がりには納得してくれたようです。

穴を開けるときにモニターをバラしたので、先日書き込んだ隠しHDMI端子を写真に撮りました。

うまく引き出せば2HDMI入力のモニターになり、2画面で表示できるはずです。この改造はまたいずれ。このモニターのバックライトは蛍光灯やELじゃなくLEDだそうです。

■2009年07月27日(月)  JICAのフランス語圏アフリカのCD-ROM完成しました
DVDではなくCDです。PCに挿入するとブラウザが立ち上がり、HTMLに埋め込んだ動画とメニューが表示されます。動画は2に分割し、合計で約40分。ナレーション、スーパーはフランス語です。

日本語版とフランス語版を収録したものはDVDでです。
難しい仕事でしたが、国際社会への協力に参加出来ることに大きな意義を実感しました。おかげさまでエンドロール、盤面、パッケージにも弊社のクレジットを入れていただけ、制作に携わったものたちも大きな喜びを感じています。

■2009年07月25日(土)  ちょっとした工作:脚モニ君誕生
23日の現場では急遽ライトスタンドにモニターを乗せましたが、今後のことも考慮してモニター取り付け金具を用意しました。愛称は「脚モニ君」

パ構造はいたってシンプルなもので、L型金具を1/4インチネジでモニター用ダボをノブで締め付けてビンテンに固定するだけです。長いボルトは水中で使用するミラーの木製三脚に取り付ける際に使用します。

ビンテンを縮めた時の干渉を少なくする為にモニターは吊り下げ式で固定します。ダボはL型金具との接触面積を多くとるためにテーパー部分を切削しました。オリジナルはLPL性のダボ用ボールヘッドです。

取り付けた状態です。小さなボールヘッドですが、吊り下げ式と滑り止めゴムの効果でずれる事はありません。

「脚モニ君」を真横から見た写真です。滑り止めゴムが効いて滑り落ちることは無く、ビンテンを傷付ける心配もありません。今後「脚モニ君」は様々な現場で活躍してくれることでしょう。

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