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2009年3月18日〜3月21日に東京ビッグサイトで開催された「東京国際アニメフェア2009」の特設ステージ及びステージUの映像送出を担当いたしました。2008年はステージUのみでしたが今回は両ステージを担当します。送出先のスクリーンは特設ステージ240インチ、ステージUは120インチでいずれもパワーポイントの解像度を高くするためにPC解像度での送出です。
今回の送出で需要視したのは「スクリーンに映像ループを出さない」ことはもちろん、何よりもライブステージの演出として成立する映像を出すことです。そのために観客が最も見たい出演者の表情、息が見える映像です。そのため特設ステージでは超望遠レンズを用いました。また、VTRやパワーポイント、ライブ映像が出るべきタイミングで出るようにライブスイッチングとVTRスイッチングを分業しています。
ビッグサイト外観
FieldReportにも書いていますが、今回も天候に恵まれ、往路での富士山は見事でした。そしてビッグサイトもご覧のとおりです。やはり現場は晴れが一番です。
特設ステージの全景です。撮影用イントレからスクリーンまでの距離は45mあり、20倍程度のレンズではエクステンダーを入れてもステージ上の人物のウエストショットが限界です。
特設ステージ全景
イントレに上がった40倍レンズ付きカメラ 立見席の後ろに立てた撮影用イントレと照明用イントレ。上手側(向かって左)が40倍X2倍HDレンズを装着した溝野カメラマン。下手(向かって右側)は33倍x2倍を振るカメラマンは東通さんにお願いしたTさん。ともに長玉のベテランです。
キヤノン:HJ40×14Bを装着したDXC-637です。焦点距離は2倍エクステンダーを入れた状態で28mm〜1,120mmとなり、35mm一眼レフの焦点距離に換算すると112mm〜4480mmに相当します。三脚は150mmボールヘッドのサクラー・ホリゾンを使用します。
奥に見える白いカメラはステージ全体を撮る固定カメラのPanasonic AW-E600で、アイリスなどはベースからCCUのWV-RC550でコントロールします。三脚に使用しているビジョン11は後ろ向けにつけていますが間違いではなく、レンズが干渉するためにとった苦肉の策です。
40倍レンズを装着したDXC-637
33倍レンズを装着したDXC-637
こちらは33倍レンズ。SD用ですが口径が大きいだけに20倍レンズよりもシャープな結像が得られます。40倍と同様にエクステンダーを入れて焦点距離は22mm〜660mmとなり、35mm換算では88mm〜2640mmに相当します。三脚はサクラーのVIDEO20です。
シームレススイッチャーのブースです。オペレートしているYさんは以前ポスプロで編集マンをされていました。そのポスプロは吋時代によく利用し社長のNしもよく存じあげています。
送出に使用した機材はシームレススイッチャーにスクリーンプロU、HDプレゼンテーターはローランドのPR-HD1000です。フォーマット変換に同じくローランドのVC-300HDを用意しました。その他DVCAMやDVDプレーヤーなどを持ち込んでいます。
シームレススイッチャーのブース
PR-HD1000
PR-HD1000とVC-300HD、DIGA、スクリーンプロU、DSR-45、V8000等が積まれています。
パワーポイントの送出にはDELLのノートPCを2台用意しました。

右の図は特設ステージのシームレススイッチャーブースの仕込図です。図をクリックしていただくと大きな画像が別ページに開きます。

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特設ステージシームレスブース
ライブスイッチャーブース
左の写真はライブスイッチングブースです。
向かって左側が笹邊の担当するライブスイッチャー卓、右はVE卓です。VE用のモニターにもTALLYが点灯するようにしています。収録用ミキサーはお気に入りのTAMURA TS-4000S。最近コンデンサーとVRを交換しました。収録VTRはDSR-45で左側は
VE卓には引き出し式のRM-M7Gが4台装着されていますが、今回は左の2台を使用します。
RM-M7G
CCU-M5
VE卓の下にはCCU-M5が4基装着してあり、このラック1台で4カメをコントロールすることが出来ます。
よく出来たシステムだと自負していますが、放送だけではなくイベントにもHD化の波が押し寄せてきて、そろそろ過般式中継システムもHD化を図らねばなりません。業務用の本格的なEFPシステムがのぞまれるこの頃です。
スイッチャーはPanasonicのAW-SW350です。DVDやHDRはシームレススイッチャーを使用し、ライブカメラのみをスイッチングするAW-SW350は接続するカメラにジェンロックをかけることが出来るためフレームシンクロナイザーはOFFにして高画質化と映像の遅延を防いでいます。
モニターは左から33倍付きのC1、そして40倍付きのC2、そしてプログラムとステージ全景を撮るC3です。
スイッチャー卓
タリーインカムドライバー
笹邊オリジナルのタリー・インカムドライバーです。ソニーのスイッチャーやPanasonicのスイッチャーを接続してCCUやカメラにタリーやインカムを使用できるようにしています。今回もスイッチャーはPanasonic製でCCUはソニー製ですが、Panasonicに挿したアシダの放送用インカムとDXC-637に挿したソニー業務用インカムでの相互通話が可能です。
下のPanasonicのWV-RC550はAW-E600のアイリスをコントロールします。
素材取り込みと収録テープの確認用に用意したHVR-M10J。大きな液晶とバッテリー駆動が気に入っています。
HVR-M10J
特設ステージ客席
アニソンライブ本番前の特設ステージの客席です。ENGは某局のHDCAMです。
大勢の観客に踏まれても大丈夫なようにカメラケーブルや音声マルチケーブルにはDEFENDERを使って養生します。今回は非難導線になる二箇所の通路に合計10枚のDEFENDERを用意しました。
ケーブルプロテクター
CANOPUS
今回も現場編集に対応するため、CANOPUSを持ち込んでいます。CANOPUSはEDIUS 4.6です。下で光っているものはEDIUSのドングルです。これを挿さなければEDIUSが起動しません。現場へ持っていくにはちょっと不便です。もし紛失した場合は新たにEDIUSを再購入しなければなりません。とても大切なUSBキーです。
現場を快適に過ごすために必ずゴミ袋を用意します。「萌えるゴミ」はお茶目な溝野カメラマンの仕業。
萌えるゴミ袋
萌えるゴミのPOP
詳しく見ると「もえないゴミはどうすんねん?」という突込みが!もちろん燃えないゴミは分別しております。

右の図は特設ステージのライブカメラブースの仕込図です。図をクリックすると大きな画像が別ページに開きます。

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ライブカメラ仕込図
仕込図の作成にはOffice VISIOを使用し、WEBページとして保存しています。
特設ステージの240吋スクリーン。天井からの水銀灯の影響を抑えるために黒布で囲っています。
240吋スクリーン
20000ANSIのDLP
20000ANSIのDLPです。下段はスタックではなくバックアップで、送出機にはスクリーンプロからDVIを光ファイバーで引いています。
ステージUの120吋スクリーンと14000ANSIのDLPです。特設ステージと同様にバックアップ機が置かれています。
ステージU送出ブース
ステージUの送出ブースです。こちらのスタッフは3人体制で、シームレススイッチャー、パワーポイント、VEが分業しています。
スクリーンプロUと隠れて見えにくいのですがPR-HD1000、VC-300HD、そしてDVDプレーヤーのV8000、HDV VTRのHVR-M10Jなどがあります。
ステージUの送出機材

右の画像はステージUの仕込図です。これまでと同様、画像をクリックすると大きな画像が別ページに開きます。

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ステージU仕込図 ステージUでは記録カメラとしてDXC-637とCCU-M7を使用し、ライブカメラの送出は出展者持込のカメラやスイッチャーからの映像を送出しました。
ステージUビジネスデーの本番の様子です。上手から二人目は笹邊が尊敬する○○しげるさん。
ビジネスデーの特設ステージ。沢山の番組ENGが並んでいます。
撮影台に並ぶENG
パブリックデーの特設ステージ本番

特設ステージの本番。手前に居るのが今回テクニカルディレクターとライブスイッチングを担当した笹邊。スクリーンに映し出された映像はバストショットですが、エイベックスのステージやアニソンライブでは最大の寄り=クローズアップを多用しました。カメラマンの二人は特に大変だったと思いますが、シームレスを担当した者、パワーポイントを担当した者、VEを担当した者、皆が一致団結して作った映像だたっと思います。千里ビデオサービスの映像スタッフだけではなく、音響、照明、舞台のスタッフ全員が早朝から、また深夜まで続くリハーサルで頑張りました。

苦しくも、楽しくもあった一週間、ともに過ごしたスタッフの皆さん、本当にお疲れ様でした。
私たちが本番を終えた翌日は東京マラソンがスタートし、ビッグサイトはゴール地点になっています。東京国際アニメフェア、東京マラソン・・・・活気に満ちた東京を羨ましく思いつつ、「大阪も負けていられない!」心に誓った東京の現場でした。
東京マラソンのゴール