新しい小劇場でのスイッチング収録
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日本橋のど真ん中に出来た芝居小屋(元は八木アンテナの倉庫らしいです)での4CAMスイッチングによる収録現場です。 秋葉原ほどでは無いものの、家電ショップや専門店が並ぶ日本橋は、萌え〜の集まる町らしく、↓下のような看板も立っています。 |
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小屋の名前は「インディペンデントシアター2nd」 舞台裏にスペースがあり、直接機材車が乗り入れ出来、搬入が非常に楽な小屋です。客席はひな壇に200席ほどのパイプ椅子が設置できるサイズで、小劇場としてはちょうど良い大きさです。 |
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舞台裏に仮設したサブのスペースも以外と広く、快適な空間になりました。 ただし、小屋の防音が悪いためにオフマイクでは環境ノイズを抑えられず、今回の収録では舞台に5本のマイクを設置しました。普段は田村のTS-4000を使用しますが、この現場にはSonyの8chミキサーのMXP-29を持ち込みました。 |
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MXP-29はSONYが作った映像用のミキサーで、編集機からコントロール出来るようになったポスプロ向けの設計ですが、実は様々な工夫が施され、収録現場にも便利の良い設計になっています。 入力毎にファントム電源のON-OFFが可能で、様々なマイクを使う場合にも都合良くなっています。また本体の電源がAC-100Vだけではなく、DC-12Vにも対応し、ビデオキャメラ用のBP-90バッテリーなどが使用できます。 |
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右は舞台上部に設置したBEタイプのコンデンサーマイクM-23Fを照明バトンの2箇所にクレードルサスペンションを使って吊りました。これが基本の音声になり、舞台上の役者の定位感を作ります。下は舞台の框に設置したアムクロンのPCCです。セリフをクリアーに収録するために左右2箇所に設置しています。そして右下の写真はC-38Bです。舞台中央に吊り、中抜けを防ぎます。NHK御用達のロングセラー中のロングセラーで、今更説明の必要も無い名器です。BEではない純粋なコンデンサーマイクで、オンからオフまで、ニュートラルな音質で録ることが出来ます。 今回のように舞台上部に吊る場合は落下防止のため、バインドワイヤー等でビレーをとることが大切です。 |
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各マイクからのケーブルは客席に置いたマルチコネクターに集約し、舞台裏のサブまで1本のマルチケーブルで伝送します。そしてサブでは再びマルチコネクターからミキサーに立ち上げます。マルチケーブルを使うことでケーブルの引き回しがシンプルになり、見た目も美しくなります。 現在千里ビデオでは8CHマルチケーブルを60m用意していますが、マルチトラック録音を行わない場合はほとんどこれでこなすことが出来ます。 |
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サブで台本を読む千里ビデオスタッフ。芝居の収録では台本読みは必須です。先のシーンをインカムによってキャメラマンに伝えます。また、インカムには収録している音声が常に流れています。収録音声をインカム系に流すことでキャメラマンも撮影し易くなります。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
サブは一見快適そうに見えますが、実はかなりの高温環境です。舞台監督の用意してくれたものは特効用のファンです。また、最初にも書きましたが、車が乗り入れられることでサブ周辺はかなり狭くなっています。その代わりというか、仮眠場所には困りません。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
ルーフにキャリヤが付けられたホーミーと小屋の車が停まっています。ホーミーは仮眠場所となっています。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
客席下手に設置したC-1 レンズからケーブルが出ていますが、ズームサーボではなくリターンスイッチ用のケーブルです。千里ビデオサービスではズームサーボはリモコンレンズ以外では使用しません。そして手動で滑らかなスローズームが出来なければ一人前のキャメラマンとはいえません。また収録では一瞬のサイズ替えが必要で、サーボを使っていたのでは間に合わないといえるでしょう。 同様のセットを下手にC-3として設置しています。そして客席最後部にC-4を置きました。 |
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客席中央最前列にセットしたC-2は後部のお客様の迷惑にならないようにベビー三脚を使用し、キャメラの高さを最前列のお客様の肩よりも低くなるように設定しています。ただしパン棒が動くため、キャメラマンとキャメラで3席を撤去しています。客席を潰してキャメラを設置する場合は主催者との間で、十分なインフォームドコンセントが必要です。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
小屋の2階は楽屋になっています。ここにも工業用の大型扇風機がガンガンと回っています。元倉庫というだけあって、空調はかなり厳しい状態です。今後の環境整備に期待したいところです。 キャストを紹介します 稲森 誠 |
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演出の永冨義人監督と左側に音照スタッフ(サウンドジャックプロダクション)です。永冨義人監督は「いのちの現場から」や「筋モンリーグ」「部長刑事シリーズ」で活躍中の脚本家、演出家です。 この仕事をしていると様々な方と知り合えることも魅力です。 |
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さて、いよいよ本番です。普段Panasonic/Sony/Evinなどの様々なスイッチャーを使いますが、芝居の収録ではやはりSEG-2000Aになります。 芝居は基本的にディゾルブ等のエフェクトは使いません。映画やドラマと同様にカット切り替えだけになります。スイッチングでボタンが押しやすいスイッチャーとして、SEGシリーズでは2000A、BVSシリーズでは1100がよいでしょう。フレームシンクロナイザーを内蔵したスイッチャーはフレームの遅れが気になって使えません。愛用のSEG-2000Aはすでに生産完了した旧機種ですが、今もベストコンディションです。現在使っている2000Aは二代目で、初代は部品取り用として残しています。新製品も色々出ていますが、やはり使い良さでは2000Aを越える機種は他に見あたりません。 |
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収録VTRはベーターカムとDVCAMです。DVCAMも最近はとても安定していますが、不意の音声レベルオーバーやテープの生産過程でのエラーによるブロックノイズなどを考えると、バックアップはベーターカムが無難です。テープ幅1/2吋、テープ速度118.6mm/secは記録密度ど考えるとやはり安心です。放送業界もHDCAM化していますが、未だベーカム健在です。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
今回から現場レポの撮影に新しいサイバーショットT9を使っています。カールツァイスを搭載していることはP100と同じですが、光学式の手ブレ補正が搭載されています。ノーライトでの撮影でも手ブレが少なくなり、撮影が楽になりました。また、小さい割に適度な重量感があり、手に持った感触はライカCLなどのコンパクトカメラに少し似ていてとても気に入っています。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||