映像制作フィールドレポート・アーカイブ   LIST view  RSS
映像制作会社の代表が現場で印象に残ったことなどを写真やビデオキャプチャーで綴る撮影技術日誌
(WEBへの公開は制作会社、クライアント、出演者の許諾をいただいておりますが二次利用はご遠慮下さい)

2011年11月18日(金)  ハイアングル三脚と背面君
先月から取り組んでいる空撮などもいれたVPの撮影。昨日は子役を起用した公園シーンや小学校での撮影です。

今回活躍したのは巨大三脚Manfrotto 161というもので、カメラは3m近くまで上がります。千里ビデオサービスにあるものはManfrotto 161 mk2よりも古い初期型で、センターポールはエレベーターではなくエアダンパー式です。高さはmk2よりも上がります。

本来写真用のManfrotto 161に100mmボールヘッドアダプターを装着してVINTENを取り付けています。
シュート時はビューファインダーではなく、先日完成した SVS オリジナル【Back Mounting Monitor=背面君】を見ています。

お借りしている公園の芝を痛めないように、足場には太いタイヤが付いた【MAGPATCH MASTER CART】を使用しました。

3x3のカポックはマシューズのスタンドにグリップとカポックホルダーで固定しています。左後ろにもう一枚のカポックを搭載した【MAGPATCH MASTER CART】が見えています。


今回もお蔭様で好天に恵まれ、日中は気温も高くなりました。子役ということで心配した「寒さ」も全く問題なく、子役たちには楽しいロケだったようです。

2011年11月15日(火)  今日は空撮でした
今日は天候待ちしていた案件の空撮でした。


ヘリコプターはロビンソンのR44です。撮影は静止画と動画でメインは静止画ですす。撮影に使ったカメラはニコンD700と新しいタイプの28-300mmED、そしてニコンD300にシグマの8-16mmEDです。
動画用は60Pが撮れるHDR-CX560のアクティブモード+ソフトウエアスタビライザーです。

撮影を終えてヘリポートへ戻る途中、大阪駅付近を通って帰りました。こうして見ると大阪も大都会という感じです。今大阪は市長選と知事選が始まったばかりです。はたして大阪都構想は実現するのでしょうか。

冬型の気圧配置でしたが、午前中は天候も安定し、ヘイズも無くクリアーでした。1.5Hの空の旅はあっというまに終了。上空はとても快適でした。

2011年11月14日(月)  B-1グランプリの記念品
12〜13日は姫路へB-1グランプリの撮影技術協力でした。
実は13日の大阪市長選告示で在京局の撮影で1チェーンが出てしまっていたため、姫路へは笹邊がカメラマンで出向きました。

この撮影は中部の局で放送されるもので、中部からエントリーしている4団体の密着です。第1〜第3までの各会場に分散して、技術は全員で7名。2日とも大阪からの通いで出発は早朝の6時30分。笹邊も5時半には自宅を出発しました。
全チェーンの総収録時間は16時間ほど。HDCAM、HDV混在で編集は徹夜されるんでしょうか。

初日の帰路で見た夕焼け。お蔭様で両日とも好天に恵まれた撮影でした。

こちらは阪神高速からの車窓。神戸の夜景はいつ見ても綺麗です。

今回の取材の記念品。お土産は買えませんでした、とてもいい土産でした。

昨日のニュースやワイドショー系の番組ではB-1や市長選の映像にけっこう露出していました。デカイのと背が高いのは目立って・・・・・B-1やこれから始まる市長選がよく流れます。もしかしたら見つかるかも。そういえば昨夜の滝川さんのミニスカートはとても可愛かったです。

2011年11月07日(月)  鯖江にて
福井の鯖江へ行っておりました。
天候はいまいちでしたが、鯖江では雨も上がって濡れることはありませんでした。

あの雲の下はどしゃ降りになっているんでしょう。遠くから見るとよくわかります。

河野村は松前船主の館で知られています。近江商人に雇われた北前船は海産物の処理に必要な「藁」を積んで松前藩の港に行き、そこで鰊を満載して戻ったそうです。

昨日11/6からズワイガニ漁が解禁となりました。越前町のみやげ物売り場の活ズワイガニはほとんど売切れです。

釜揚げされたズワイガニのメスはセコガニ、セイコカニと呼ばれ、腹には卵がギッシリと詰まっています。

帰りは湖西経由でマキノの道の駅で夕食をいただきました。道の駅には地元の特産品がずら〜りと並んでいます。ちょっと買いすぎたと反省。





夕方の特売で焼鯖寿司や鱒寿司、鱒飯がほぼ半額。笹邊は勿論「半額」に弱い大阪人です。帰宅後自宅の冷蔵庫は日本海一色に変貌したのはいうまでもありません。

2011年11月06日(日)  SVS オリジナル Back Mounting Monitor=背面君
Back Mounting Monitor
背中にマウントするモニターです。といっても「夜はクネクネ」の雅さんのように重いモニターを担ぐわけではありません。
HDW-750やDSR-570WS、HPX555の後ろに取り付ける小型モニターです。
ディレクターのMさんから「どうしてカメラの後ろにモニターが付いてないんだろ。」という一言から生まれたディレクターモニターです。

カメラの全長が長くなるのでENGでは使うことはありませんが、VPのオープンロケではケーブルの引き回しも必要なく、意外と便利なモニターと言えるかもしれません。カメラの後ろ上面への取り行けも可能ですが、身長170cm以上のカメラマンが担ぐとモニターの位置が高くなりすぎるので背面を選びました。
TFT液晶パネルの視野角は非常に広く、カメラの真後ろだけではなく斜めからでも良く見えます。

HDW-750に付けた全体像です。
HD-SDIの入力は無く、HDW-750の場合はダウンコンバートされたVBS信号を入力します。

オープンロケで不可欠の遮光フードです。1mm厚保のアルミ板を曲げて作りました。次の写真はフードを付けた状態の全体像です。液晶は上下に100度以上アングルを変えることが出来ますから、ローアングルやハイアングルでの撮影時もディレクターが背伸びする必要はありません。

若干ケーブルの引き回しが気になりますが、常に取り付けるものではないため、ケーブルは固定していません。
赤いケーブルはモニターの電源です。モニター専用のバッテリーは使用せず、カムコーダー用のバッテリーを分配して使用します。

HDW-750やDSR-570WSの場合はファインダー付け根のDタップから電源を取ります。HPX555やSDX900等の場合はIDXのVマウントに内蔵されたDタップを使用します。
モニターの電源はカメラ信号を検出して自動でONになります。またHDW-750や570WSの場合はカメラのDタップSWで強制OFFができます。もちろんカメラの電源を切ればモニターも完全OFFになります。

SD専用モニターですが、意外と性能のいいパネルが使われています。演色性などベンチでテストしてみました。
チャートの色温度は3200Kでカメラのホワイトバランスも3200Kに設定していますから、6300Kのモニターは青く映ります。テスト風景はニコンD700を5600Kに設定し、チャートの画像はニコンD300を6300Kで撮影しています。

まずはグレーチャートです。

ハイライトからシャドウまでの諧調が飛ばず潰れず表示されています。チャートの画像をクリックしていただくと大きなサイズでご覧いただけます。

次は解像度チャートです。HDW-750のハイビジョン出力ではなくダウンコンバート出力を見ています。画像評価はもちろん無理ですが、画像確認モニターとしては使えるのではないかと思います。
下のチャートも画像をクリックしていただくと大きなサイズの画像をご覧いただけます。


ベンチテストですからここは美人チャートで実際の運用状態を確認します。「美人チャート」といっても女性の「美人度」を計るチャートではありません。映っているモデルさんが美人だということでいつの間にか「美人チャート」ということになったのでしょうか?

「美人チャート」は千里ビデオサービスが出来た1987年にすでに存在していました。もちろんこのモデルさんです。あれから24年、今現在お幾つでしょうか。こちらもクリックしていただくと大きな画像をご覧いただけます。


SVS オリジナルのBack Mounting Monitorは今月のVP撮影でSDX900に取り付けて使用します。
ところでこのモニターのニックネームですが、スタッフと相談の結果どうやら「背面君」で落ちつきそうです。

2011年11月05日(土)  DSR-570WSとリターンモニター
ヘアショーの次は医学系のセミナー。
心臓外科の手技です。最新の手技の凄さに驚きました。
カメラは570WSで今日の仕事はカメラマン。機材会社の仕事でしたが、今日はサービスでモニター持参です。
先日の四連モニターと同じユニットです。
「注文いただければすぐに作りますよ」と営業も忘れません。


2011年11月04日(金)  見てのお楽しみ




この画像から仕様の一部を垣間見ることが出来ます。

2011年11月04日(金)  4連モニター初陣
一昨日、昨日と中継の現場でした。ベースはホールの通訳ブース内です。
スタッフは千里ビデオサービスからCAM×2、CA×1、SW、VEの5名で、VTR(DVD)とPPT、名前のCG、DSKはクライアントさんが担当です。

仕込み時間に余裕があったおかげで意外と整然とレイアウトできました。写真には写っていませんが、右にDVD、ダウンコンバーター、PCなどが並んでいます。

笹邊が担当するSW周辺。入力モニターは新規投入の四連モニターと拡張モニターの五連仕様です。
左からCAM1/CAM2、DVD、PPT、そしてCGです。各々タリーランプを乗せています。
上段はベクトル&ウェーブフォーム、そしてプレビュー用の6吋PVM-6041Q、マスモニはBVM-9045QDです。

これが新作の四連モニターです。小さなモニターですが、画面サイズはPVM-6041Qを16:9で使用する場合と同じ画面面積があります。TFT液晶パネルのドット数は1440(H)RGB×272(V)ですがカメラのフォーカスを正確に確認できる解像度を持っています。

場当たりの時のSWとモニター。本番中は客電が消えてもっと暗くなり、モニターの上に乗せた足りーランプが次々に点灯します。

モニターの角度は自在に動き、パネルをオペレーターの目線に合わせることでマスモニと同じ明るさで確認できます。
電源はキャリングケースに内蔵した電源に付いた2個の4pinXLR出力端子の一方からからタコ足で供給しています。

左はVEエリアでVTRはPGM、CAM-1、CAM-2で、それぞれマスターとバックアップを収録しています。
カメラはJ16a+ワイドコンバーター付きのDSR-570WSと、J20a付のDSR-570WSです。

J20aはエクステンダーONで使用するため、実質320mmの超望遠となりますが、SPIDER PROを使うことでテレ端でも安定した画が撮れます。

本番後の会見もDSR-570WSでUST配信です。

事前に連続動作など十分チェックをして万全で望みましたが、やはり本番を終えるまでは不安もありました。しかしそういった不安も2日間の長時間運用によって完全に拭い去ることができてました。お蔭様で新規機材の4連モニター初陣は無事終了です。

2011年10月31日(月)  久しぶりにSDX900でした
昨日の雨で少し心配しましたが、今日はロケ日和になりました。お昼は公園でロケ弁です。


何を撮影していたか?それはまだ公開できませんが、カメラは局から支給されたAJ-SDX900です。あと数回のロケがあります。最近よく使うパナソニックのカメラはAG-HPX555やAG-HMC155などAG品番という業務用ですが、SDX900はAJという品番に分類される放送用です。
写真は今回のものではなく、以前に撮影した現場のもので、今回はショートズームを装着して使用しました。
パナソニックのSDカメラとしては非常に良く出来たカメラで、基本の操作性やスイッチレイアウト、カメラアタッチメントはソニーと共通です。ソニーの操作を手で覚えている笹邊でも違和感無く使えます。
これまでに使ったSDX900の現場の一部をWEBにアップしていましたが、ここしばらく使っていなかったので細かなパラメーター設定にいささか不安がありました。当然オペレーションマニュアルを見るわけですが、局支給のSDX900にはマニュアルが無いということでGoogleで探してみました。
残念ながら日本語版はありませんでしたがAJ-SDX900PのものがPDFで有りました。
http://www.zacuto.com/AJ-SDX900%20operating%20manual.pdf
URLを見ると、なんとデジタル一眼レフのルーペやリグでおなじみのZACUTOのサイトでした。
著作権をどう処理されているのか不明ですがユーザーは大変助かります。※メニューの内容はJモデルと同じです。
最近ではメーカーもマニュアルを公開するようになりましたが、放送機器ではまだそれほど多くはありません。


ちなみにHDW-750/730のオペレーションマニュアルはA5サイズ約400ページ白黒印刷で6,000円だそうです。おそらく世界中でもかなり高額な本ということになるでしょう。メーカーもそう易々とは公開しないのは当たり前ですね。

今回の仕事の撮影は後5回ほどあります。来週はそのなかの空撮になります。
その前に今週はヘアショーの中継やセミナー収録など、ちょっと忙しくなります。

2011年10月30日(日)  自作マグライナー【マグパッチカート】三年目の車検?です
マグミッチミニカートもどきの【マグパッチカート】を作ったのは今から3年余り前の2008年の6月でした。

奥がオリジナルのマグミッチミニカート(オプションのバスケット付)です。照明用のグリップアームやHMIライトなどが積まれています。そして手前がアルミ台車2台を合体させて作った自作マグライナー【マグパッチカート】です。
音声機材やマットボックス、フィルター、弊社独自改造の桟敷三脚などを積んでいます。

マグパッチカートは様々な現場で大活躍し、状況によっては「本家以上に便利」と言われる照明部さんもいらっしゃいました。
(お世辞でも嬉しいです)

フックを付けたり、ガチ袋や脚立掛けなど、スタッフの意見に育てられながら進化を続けました。ワンボックス車はもちろんですが、ロケ車のデリカD:5にも分解することなく収まるので大変重宝します。

そんなマグパッチですが、3年を過ぎて色々と痛みが出てきたために、グレードアップを兼ねた総点検&メンテナンスです。いわば新車購入後の初回車検というところでしょうか。

車検が完了したマグパッチミニカートに実際の機材を積んで記念撮影。
VP撮影時のスタイルです。照明機材、音声機材、HDCAM、モニター、三脚などを搭載しています。掲載写真は弊社のBFにある撮影スタジオで撮っています。

本家のマグミッチミニカートを使ったときの写真です。さすがにスタイリッシュです。ただし価格は20倍。レンタルじゃなきゃ無理ですね。

それではマグパッチカートの詳細をご紹介します。
車検らしく?足回りの黒色塗装や天板を更新しました。ガチ袋には現場で必要な様々なものが色々(チャート、鏡、J-Jや変換コネクター、ドアストッパー等)入っています。ガチ袋ですから当然ナグリも(笑)

斜め後ろの写真です。M6のボルトフックにはカラビナでガムテープやパーマセルテープなどが掛けられます。

側面下部に付けたL型金具は照明用の枠(ディフューザー)や3x3カポック(レフ板)など、板状のものや脚立を載せる際に使用します。このフックが付いた状態でデリカD:5への積載が可能です。

モニターやコンバーターの電源を綺麗に引き回すためにコンセントを装着しています。延長ケーブルは10mにしています。DC駆動時はシールド式の鉛バッテリー(自動車用)を使った電源を搭載します。

エア抜けは現場で大変苦労します。米式バルブ用のインフレーター(空気入れ)はパナレーサー(ナショナルタイヤ)の手動式です。もちろんトライアスロンなどで使用するガス式も利用できます。

3年目ですからここは少しドレスアップ!見て笑われそうですが、お洒落なワンポイントとしてラリーカー風のマッドフラップです。赤色がカッコいいのですが、ラリーカーのほとんどが赤色を採用していますし、リベロでも赤色を使っていたのでマグパッチカートは青色に。もちろん泥を跳ね上げるなんてことは無いんですけれど・・・

3年間活躍し、さらに進化し続けるマグパッチには今回のチューンを記念して新しい名前を付けてあげました。


【MAGPATCH MASTER CART】のMASTERとは「自由に物事を操れる人」「偉い人」のような意味合いを持ち、名人・達人、マイスター、マエストロということで採用しました。
でも「コピー品や加工品の元になるものという意味から「マスターテープ」「マスター音源」といった用例があります。
「パッチもののマグパッチにマスターはオカシイやろ!」と突っ込まれそうですが、そこは大目に見ていただくとマグパッチも喜んでくれるでしょう。

ところで、先日[NEX-VG10 ニッコール50-300mm]を検索していて偶然こんなページを見つけました。NEX-VG10ヤマハの発表会などを撮影なさっているOffice Feさんです。関西の方のようですが詳しくは判りません。
なんとOffice Feさん自作マグライナーを作っておられました。
材料は弊社のマグパッチと同じアルミ製4輪コンテナカート TC4519ALですが、なんと折りたたみ式に進化しています。もう脱帽です。すごいです。作り方も公開されているのでぜひご覧ください。
さらに音響収録の記事でRODE NT-1Aを使ったステレオアームも紹介されていて大変参考になります。特に加工技術は素晴らしいと思います。誰も考えることはよく似ていますね。ちなみに私の会社のステレオアームはこんな感じです。
http://blog.zaq.ne.jp/senri/article/729/
BTS規格と互換のある水道用部品などを使用したものです。

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