撮影技術 フィールドレポート   LIST view  RSS
撮影技術会社の代表が現場で印象に残ったことなどを写真やビデオキャプチャーで綴る撮影技術日誌
(WEBへの公開は制作会社、クライアント、出演者の許諾をいただいておりますが二次利用はご遠慮下さい)
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■2008年06月27日(金)  株主総会ピーク
3月期決算企業の株主総会が今日27日、ピークを迎えました。警察庁のまとめでは全国で1315社が開催したそうで、全国各地の映像会社も忙しかったことと思います。千里ビデオサービスも市内某所で某社の株主総会で大型スクリーンへの中継を行っていました。

仕込みは前日に行い、今日は本番日。企業名、開催場所は伏せるとして、技術内容のみ公開します。

キャメラは舞台正面とサイドの2箇所に設置し、ライブスイッチングを行います。撮影距離は約20mでレンズはテレ端160mmを使用しました。

こちらはスイッチングのベースです。ライブキャメラの技術スタッフは邑久CAM-1/溝野CAM-2/木原VE/笹邊SWです。大型映像の送出ではリップのズレが非常に気になります。最大3フレーム(0.1秒)以内に納めなければなりません。スクリーンに映し出された人物の映像と、会場に流れる音声が極力ずれないように、スイッチャーにはフレームシンクロナイザーを内蔵しないジェンロックタイプSEG-2550A、シームレススイッチャーも遅れの少ないISS-108、そしてプロジェクターへはTBCを挟まずに光ファイバーでダイレクトに送られます。

今回は収録が無く、スクリーンへの中継のみのため、収録での映像レベルの約束事の制限を外して、スクリーンへの送出に最適化したキャメラセッティングを行っています。まずホワイトバランスは客席から見たスクリーンに合わせて調整しています。そしてもうひとつはトーンカーブです。

CCUのケーブル補償でビデオ出力を上げ、CCUリモートのRM-M7GにあるKNEE(膝という意味で映像レベルの圧縮カーブが膝を曲げた形に似ているからだそうです)をマニュアルで最大に押さえています。

波形モニターを見るとその差は歴然です。左からAUTO、PRESET、MANUALで、中間トーンを同一にした状態で高輝度部分が飛んでいないことがよく分かります。

本番の混乱も無く、中継はスムーズに終了しました。記録を残さない中継の場合は、映像レベルをスクリーンに最適化することで好結果を得ることが出来ますが、収録が有る場合は同様のことを送出系にプロセスアンプを挿入することで、収録系はNTSCの規格に合わせ、送出系のみスクリーンに最適化させるようにします。

■2008年06月24日(火)  零下5℃
関西大学のアイスアリーナでの取材です。アリーナは会社から車で30分ほどの高槻です。

取材は月末オンエアの日テレの番組。木原の話ではアリーナの中はマイナス5℃で「めっちゃ寒かった」そうです。

滑っているのはTD←テクニカルディレクターではなくて、DT。

この日は編集に追われる笹邊、溝野がNGでキャメラは中継車でお世話になっている東通のKさんにお願いしました。現場スタッフは木原、今西です。

メインはHDW-750でサブがHVR-Z1J。Z1Jを振っているのはDさん。取材終了後、外気に触れた機材は一瞬で結露したそうです。寒かったでしょうね。

■2008年06月18日(水)  志摩スペイン村
夏のCM撮影でスペイン村へ行ってきました。今回はダルちゃん、チョッキーのシーンにクレーンショットを入れようとミニジブを使用しました。特機を使用する場合のポイントは「有るから使う」ではなく、「こういう映像が欲しい」ということがスタートになり、その方法としてクレーンやジブ、レールドリーが必要になります。つまり三脚に載せたキャメラのパン操作やハンディーキャメラのウォークドリーで成立する演出であれば、別途予算が必要な特機は不要です。「演出上このキャメラワークが必要」な時に特機を使用しなければなりません。ただし、工夫次第で大型のJimmyJibなどを用いなくてもMiniJibでも十分な効果を得ることが可能です。

クレーンショットといっても所詮ミニジブですから上下の移動量は3m程度。これをいかにもクレーンらしく見せるにはクレーン+キャメラワークで対応します。しかし脚立に乗ってのハイアングル〜ローアングルまではとてもキャメラマン一人で操作することは出来ません。

オペレーターの木原がクレーンの上下動とキャメラの上下パンをコントロールし、笹邊は撮影監督を務めます。今回は撮影があわただしく、木原が装着している状態のグラストロンは撮れていませんが、彼は空中に浮かんだ50インチ相当のモニターを見ながらクレーン操作+キャメラ操作を行っています。

グラストロンは発売からかなりの歳月を経過していますが、バッテリーがHVR-Z1Jのものがそのまま流用できるため、最新式のヘッドマウントディスプレーよりも便利です。画像はオペレージョンの状態に合わせて透過量を連続可変できるので、グライドカム等の移動ショットにも使用可能です。

今回活躍したのがミカミの電動リモコン雲台です。キャメラの上下、左右のパンをジョイスティックでコントロールします。また、ジョイスティックは速度可変に対応しているため、滑らかスタート、滑らかストップの動作、つまりイーズイン・イーズアウトが可能です。ジョイスティックにスイッチではなく可変抵抗を使用しているおかげです。
 リモコンヘッドのボールレベラーは出発の前日に鉄工所で加工した、出来立てのホヤホヤです。この時の鉄工所での様子はブログに掲載しています。
 キャメラのズーム&フォーカスはLANCで操作可能ですが、今回はズーミングにショットトランジション(2秒)とスタートタイマー(20秒)を使用しています。新製品のZ7Jが出た今もソフトトランジションを持ったZ1Jは現役を退くどころか、今尚HDVのフラグシップ機としての意地を見せてくれます。

天候も梅雨の最中とはいえ、上々のコンディションでした。天気予報では「貴重な晴れ間」ということでした。アドベンチャーラグーンの撮影にはグライドカムを使用しました。

大型のステディーカムに比べ、HDVカムコーダーと相性のいいグライドカム4000Pro+スムースシューターは運動不足の笹邊でも気軽に装着、オペレーションが可能です。とはいえ月に2〜3度程度の稼動では腕が鈍ってしまうので、暇な時を見計らって時々トレーニングは行っています。

今回活躍した新作のアルミ二段台車。アメリカのマグミッチカートほど高性能ではありませんが、価格は1/10以下。「マグミッチに回す金があるなら他に回すべき」というスタッフの意見を尊重しながら、重い二段台車は使いたくないのも確かで、必要が生んだ千里ビデオサービス特製台車の完成です。車輪がチューブ入りの大径タイプで、スペイン村の石畳も路面も難なく移動可能で、スタッフの評判も上々でした。最大積載量は100kgです。

■2008年06月15日(日)  マスターズ甲子園
今年もマスターズ甲子園に2名のスタッフをキャメラマンとして呼んでいただきました。

前回はキャメラマンだけを行かせましたが、今回は制作会社さんにご挨拶を兼ねて笹邊他2名の若手スタッフと行かせていただきました。

開会式の星野仙一大会名誉会長です。キャメラのTさん。マスターズ甲子園二度目です。普段の野球中継では箱レンズを振っています。

こちらはおなじみMさん。彼も二度目のマスターズ甲子園。T社でスポーツニュースや中継で活躍していました。もちろん今も現役ですが、最近は制作ものが中心です。

今回撮影した素材は編集されて、前回同様にオフィシャルDVDとして販売されます。

甲子園というとやはり応援席。甲南女子大学のチアガールさんたちです。

試合開始前とインターバルにネット前でチアガールのパフォーマンスの披露があり、迫真の演技に釘付けでした。
 
週明けはスペイン村のCMロケで伊勢へ行きますが、天候の方はどうでしょうか。少し崩れそうで心配です。ロケの様子は後日ここかブログにアップします。

■2008年06月13日(金)  ローランド内覧会
ローランドの「Audio & Visual 新製品発表会 2008」に行ってきました。会場は大阪松屋町の味覚糖 UHA館。

午前中はDVDのオーサリングなどもあり、出かけたのは二回目のセミナーがある午後になりました。会場は大勢の人で賑わっていました。

来られている人のお目当ては
F-1:ビデオ・フィールド・レコーダー
V-8:8チャンネル・ビデオ・ミキサー
P-10:ビジュアル・サンプラー
R-44:4チャンネル・ポータブル・レコーダー
PR-1000HD:マルチフォーマット・ビデオ・プレゼンター
といったところでしょうか。

最初のセミナーは小寺信良さんの「HDを録る/編集する 〜Smart & Smooth〜」です。
 実はこの時が「ビデオ・フィールド・レコーダー F-1」のプロモーションビデオのお披露目でもあります。「映像ワークスタイル革命」というコピーは・・・・ハイ、笹邊のコピーです。このビデオは6日に日本語ナレーションを入れて、11日にオーサリングしたばかりの出来立てのホヤホヤです。英語版は9日にナレーションを録って11日に完成しました。

2つ目のセミナーは「DVD制作も簡単! 映像演出/収録の基礎講座」と題した近藤洋史さん。
 セミナーでは笹邊が注目しているP-10を使ったデモンストレーションも行われました。SDカードにMotionJPEGで動画や静止画を入れてポン出しが出来る超優れものです。間もなく発売ですが、大いに期待できます。

会場では様々な新製品を体験出来るようになっていました。やはり注目は120GBHDD搭載のF-1のようです。HDD記録で様々な夢が膨らむ製品です。それとF-1のネットワーク機能。これは工夫次第でいくらでも用途が生まれる機能です。実はF-1には組み込み用WindowsXPが搭載されています。LANなど容易い機能ですね。TCP/IPで遠隔操作やファイルのコピーなども可能です。HDDレコーダーにネットワーク機能を搭載したものはF-1が世界初ではないでしょうか。そう、これがワークスタイル革命の「革命」たる理由です。

F-1にVマウントアダプターを装着することで最新型のHDVに限らず、ソニーDSR-300/390、DSR-500/570、DSR-400/450、そして池上のDV-5/7、パナソニックのDVCPRO-25(50は25モードで対応)さらにビクターの肩乗せDVシリーズなどもHDD記録の一体型カムコーダーに生まれ変わるといえます。もちろん肩載せだけではなく、PDやVXシリーズ、他のメーカーの新旧様々なハンドヘルドタイプのデジカムがHDDカムコーダーに生まれ変わります。ベーターカム一体型のドッカブルカムコーダーがデッキ部の交換だけでDVCAM一体型に生まれ変わったように、キャメラの現役寿命が延びるということですね。そういう意味でF-1はエコロジーにも役立つともいえるでしょう。
 最後の写真はアンケートに答えた来場者へのプレゼント。笹邊と木原、それぞれ戴きました。
 「Audio & Visual 新製品発表会 2008」はこのあと6/17に東京の北青山2丁目にあるTEPIA(機械産業記念事業財団)でも行われます。
 ただしこのイベントには以下の注意書きがあります。
Audio & Visual 新製品発表会 2008 は、事前登録制となっております。
お手数ですが、いずれかの方法でご登録お願いいたします。
※業務用製品展示会のため、法人所属または個人事業主の方のみを参加対象とさせていただきます。
ということでアマチュアは対象外ということです。
 映像、音響関連の企業の方は下記をご覧になり、
http://www.roland.co.jp/products/ss/event/2008AV/index.html
ネットもしくは電話で事前登録の上ご参加下さい。メモホルダーはかなりいいものですよ。

■2008年06月09日(月)  三和ビデオセンター
6日の日本語に続いて英語版のナレーションでした。
今回はリック・ネルソンさんで、仕上がりはCNNのニュース番組のような感じです。
下はネルソンさんのボイスサンプルです。
http://svs.ne.jp/hibi/IMAGE/20080609/rick.mp3

先日仕上げたローランドさんや日本圧着端子さんの英語版で活躍していただいたジェームスさんのサンプルです。
http://svs.ne.jp/hibi/IMAGE/20080609/James.mp3

PRです⇒千里ビデオサービスでは様々な言語のネイティブチェックやリライトにも対応しています。

■2008年06月08日(日) 
久しぶりに舞踊の撮影でした。催しは吹田市主催の民踊発表会。舞踊といっても元々民踊ということで、歌舞伎舞踊から民謡舞踊、さらにはフォークダンスまで。

撮影は2CAM/EFPで行いました。今年はラストにとても若い娘さんたちの新作舞踊もあり、客席はダンスイベントのような賑わいでした。

ベースは珍しく客席最後部に組み、モニターは左からCAM-1/CAM-2/PST/PGM。キャメラはDXC-637+CCU-M5です。SDの4:3ももうしばらくですね。

キャメラは邑久が1カメの2カメ体制。木原はビーチサッカーの撮影でした。
舞台用語で「板付き」というのは幕が上がった時や照明が点いた時に役者が舞台上にいることをいいます。笑い話で、所作台(日本舞踊、能、歌舞伎など上演の際に地舞台の上の踊り地に敷かれた板)があることを「板付き」と言った業者さんが居ました。名誉のために匿名にしますが、とんだ勘違いです。また「所作台」は土足厳禁、もちろん地舞台と違い、釘なども禁物。時に新舞踊の人が下見の時に草履で上がって舞台さんに怒鳴られる姿を目にします。
所作台は高さ4寸、幅3尺、長さ10尺または12尺が規定の寸法で表面は4枚の板を継ぎ合わせてあり、足拍子の音をよくする工夫がしてあります。これを敷き詰めて所作舞台が作られます。

■2008年06月05日(木)  京都の現場
京都の現場は大手企業の全社大会でした。写真掲載は不可ということで、システムのみ紹介します。今回は収録は無く、中継のみです。

全体としては2CAMライブスイッチャーとシームレススイッチャーで、出先は300吋スクリーン3面で2種類の映像を出します。スクリーンがステージと同じ会場にあるため、広い画角の映像は無意味で、最低でも肉眼で見えるサイズの2倍以上のサイズでの送出が条件です。キャメラは絞りが暗くならないようにエクステンダーは使用せず、1/2吋CCDのWV-F260に2/3吋用レンズを取り付けて画角を望遠側へ1.4倍シフトさせて使用しています。1/2吋で160mmのテレ端は160mm×1.4=224mmとなります。J-20が28倍になったと考えれば良いでしょう。
イベントは4部構成で1〜3部はA宴会場、4部はB宴会場で行われます。そして3部の終了が18:30、4部の開始が19:00で移動時間は30分!

そこでライブスイッチャー部分のみを1ラックで構築した千里ビデオサービスの旧システムの活躍です。BNCのみでキャメラ映像を引く方法もありますが、やはりタリー、リターンビデオ、インカムが使えるシステムでなければ小気味良いスイッチングは出来ません。そしてモニター、スイッチャー、CCU等が1ラックでの載るシステムでなければ30分の移動は不可能です。またCAM-2のケーブル長は90mです。少しでも時間を短縮できるように4部の会場のキャメラケーブルは事前に張っておきました。

ライブスイッチング部は移動できてもPCやDVDのブースは移動不可能です。そこでシームレススイッチャーのEDIROL V440-HDは2台用意してブースをそれぞれの会場に事前構築しました。
今回工夫したのはリターンビデオです。登壇者の名前スーパーやPPT送出をキャメラマンのリターンビデオに送るため、最終のRGB信号をダウンコンバートしてCCUに送っています。またWV-F260にはリターン2が無いため、通常のブログラと最終の送出映像をスイッチャー側で必要に応じて切り替えるようにしました。
3日のリハーサルは結局27:30(AM3:30)までかかり、ホテルでは約3時間半の睡眠。本番日も朝8:00からリハーサル、10時から21時半まで本番。会社へ戻ったのは23時。けっこうキツイ仕事でした。

■2008年06月03日(火)  今宵は京都泊まり
ここ最近は遠方での泊まりが多かったのですが、今回はなんと京都泊まりの仕事です。2CAM/PC/DVDの送出、中継です。何故京都泊まりかといえば、20時から仕込〜テクリハで終了は26時。翌4日は7時からランスルー。睡眠時間はおそらく3時間程度だろうと・・・・。そんなわけで片道45分の移動を避けて宿を取っていただきました。この仕事が決まった時には初夏の京都の情緒が楽しめるものと期待したのですが・・・・。

現在脳神経外科で知らない人は居ないという医療機関のVPが進行しています。今日はディレクターのSさんと病院を訪れて打合せをしてきました。すでにオペは先月に撮影を終え、これからはインタビューや3DCGを進めていきます。追々FieldReportにも掲載できるかと思います。

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